モンテ・クリスト伯(もしくは巌窟王)

20050610012121.jpg モンテ・クリスト伯 693円

アニメ「巌窟王」の元となった小説。アニメ版ではよく分からないところもあったりしたので読んでみることにした。

とはいえ、実はスタートからつまずいた。松戸市立図書館では児童向けの「巌窟王」しか置いていなかったのである。ところがさすが司書さん、代わりに岩波文庫モンテ・クリスト伯を見つけてきてくれた。ひとしきり感心。非常にありがたかったのだが、問題が浮上、なんと7巻まであることがわかった。普段好んで読んでいるライトノベルと違い、読み終えるまでの時間が段違いなのである。1冊読むのも一週間がかりだった。おかげで返却が1月ほど遅れてしまったが、滅多に借りようとする人もいなさそうな本なので、まあいいか。

話としては、無実の罪で逮捕され地下牢に入れられ続けたエドモンが、脱獄後、大金持ちの伯爵としてパリに現れ、周到に用意した復讐の舞台で、他の人たちがうまく踊らされ、順番に復讐されていくという復讐劇だ。復讐劇というと どろどろしたイメージがあるが、伯爵の常に冷静な行動によって、どきどきしながら読めてしまう。

アニメ版との違いは、小説版ではエドモンの長い牢獄生活と、どうやって大金持ちになったのかという部分や、アルベール君が主人公じゃなくて、第3者視点で書かれている部分や、メルセデスが結婚した理由が書かれたりしていて結構違いが多かった。人間関係もかなり違っている。ちなみにペッポは名前が出てきた(しかもベッポ)程度でしかない。ちぇ。

小説版の特徴としてはグインサーガ撲殺天使ドクロちゃんみたいに細かい情景描写がユーモアたっぷりに書かれているところだろうか。が、それは問題でもあって、当時の人たちなら予想が付くだろう細かい情景描写やユーモアがほとんど理解できなかった。ラシャの絨毯ってどんなだよ。

それでも伯爵の活躍を見ているだけで7巻まで読ませるのだからかなりの作品であることがわかるというものだ。

20050610012459.jpg アニメ「巌窟王」 5,880円

もしアニメを見ていないようならアニメを見てから読んだ方がわかりやすいし、面白いと思う。DVDを買って見ることをおすすめする。そして見終わったら本屋もしくは図書館へGoだ。全部で7巻もあるが、へこたれないようにがんばろう。私は「へたれ」なので、5巻当たりから情景描写は飛ばして読んでたけど。

待て、しかして希望せよ!